統治行為論と司法権

裁判所法の3条によると、「裁判所は、日本国憲法に特別の定めのある場合を除いて、一切の法律の争訟を裁判し、その他法律において特に定める権限を有する」と規定されています。
ここでは「法律の争訟」という言葉がキーワードですが、これは紛争の具体性と終局的な解決が期待される法を指します。
つまり、抽象的に法律の解釈又は効力について争うことや単なる事実の存否、学問・技術上の論争、宗教上の信仰対象の価値、宗教上の教義に関する判断などは裁判所において除外されるのです。
しかし、法律上の争訟であっても一部裁判ができないケースもあります。
その中の一つが統治行為と呼ばれるケースです。これは直接国家統治の基本に関して高度に政治性のある国家行為を指します。
例えば日米安保条約や衆議院の解散などです。
日米安保条約は相手国(アメリカ)との政治的兼ね合いも絡んでくるため、司法権だけでは対処し切れません。
衆議院の解散についても国会・議院・内閣の自律権に関しているため、司法権だけでは対処し切れないのです。
例外として、極めて違憲性の高い条約などは司法権で対処することができますが、違憲と判断された法律の撤廃には国会の議決を必要とします。

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